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メカニズムと過去の被害事例を知れば南海トラフの恐ろしさが分かる

静岡から宮崎まで広域にわたってプレートの歪みが生じているため、南海トラフ巨大地震が発生すると被害が広域にわたる可能性が高いです。過去には連鎖するように自然災害・巨大地震が立て続けに発生した事例が多数あります。

今更聞けない南海トラフ巨大地震について

 

今さら聞けない南海トラフ地震

 

南海トラフ巨大地震とは、100~150年の周期で訪れると言われている最大マグニチュード9クラスの地震です。

 

文部科学省研究開発局地震・防災研究課が公表している資料によると、今後30年以内に発生する確率が70~80%50年以内に発生する確率が90%程度もあります。

 

想定被害は津波で甚大な被害が出た東日本大震災の10倍を見込まれていて、地震の規模や津波のリスク、被害が及ぶ範囲など様々な懸念材料があるため防災対策をしっかりしておきましょう。

 

南海トラフはどこ?

 

静岡県の伊豆半島などがある駿河湾から宮崎県の東南にある海域の日向灘沖までが南海トラフです。

 

フィリピン海プレート及びユーラシアプレートが接する海底で溝状の地形を形成する区域を指し、南海トラフ巨大地震が発生すると広域にわたって連鎖的に巨大地震が発生する恐れがあります。
プレートの溝が大きくて地震の規模を表すマグニチュードが大きくなる恐れがあるほか、太平洋に沿っているため広域で津波が発生する可能性があります。

 

南海トラフのメカニズム

 

地震のメカニズム
太平洋側のフィリピン海プレートが、日本列島の下にあるユーラシアプレートの下に沈み込む現状が慢性的に起こっています。
少しずつ2つのプレートの境界で生じる”ひずみ”が拡大して、限界に達すると跳ね上がって巨大地震が起こる仕組みです。

 

プレートの沈み込みと跳ね上げが繰り返されるメカニズムで、これまで100~150年の周期で南海トラフ巨大地震が発生しています。

 

被害予想

 

内閣府防災担当が公表した資料によると、南海トラフ巨大地震が発生した場合は127の市町村で震度7を記録して津波は最大30m以上、死者は最大32.3万人など過去に類を見ないほど大規模な被害が発生する危険性が示されています。

 

ライフラインやインフラ被害も深刻で、冬の深夜に発生すると最大値に近い死者数になる可能性が高いです。

 

 

津波被害の恐怖

 

2011年の東日本大震災では津波によって甚大な被害が出ました。

 

もっとも高い津波が来た福島県相馬市で9.3m以上の高さでしたが、南海トラフ巨大地震では最大30m以上の津波が予想されています。
なお、東京都の区部では最大津波の予想が3mです。これでも沿岸部では大きな被害が出る可能性があります。

 

高知県や静岡県などは最大30m級の津波予想が出ているので注意してください。

 

過去に起きた南海トラフ

 

直近で発生した南海トラフ巨大地震は1944年の昭和東南海地震(M7.9)と1946年の昭和南海地震(M8.0)です。

 

どちらも広域にわたって甚大な被害をもたらし、南海地震では千葉から九州までの幅広い地域で津波が発生しました。
記録が残っている南海トラフ巨大地震は以下の通りです。

 

年次 地震名 備考
684年 白鳳地震
887年 仁和地震
1096年 永長地震
1099年 康和南海地震
1361年 正平南海地震
1498年 明応東海地震 M8.2~8.4
1605年 慶長地震 M7.9。最大30mの津波発生
1707年 宝永地震 M8.6。地震発生から1.5ヶ月後に富士山噴火
1854年 安政南海地震 30時間差でM8.4の巨大地震が再び発生
1854年 安政東海地震

M8.4

1944年 南海地震
1946年 昭和東南海地震

 

広域にわたってプレートの歪みが生じる地形のため、南海トラフ巨大地震が一度発生すると立て続けに大規模地震が発生するケースがあります。
人口と建造物の増加によって、次に起こる南海トラフ巨大地震は過去最大級の被害が発生する可能性が高いです。